クローゼットを開けると、かつてツーリングで着ていた数着のライディングジャケットや、用途の違う複数のグローブが所狭しと並んでいる。
一方で、子どもの成長とともに増えていく服や学校の道具が、収納場所を見つけられずにリビングに溢れ出している。
そんな光景にハッとさせられたことはないでしょうか。
今回は、家族の快適な「暮らしの空間」を優先するために、趣味の道具を思い切って整理した時の気づきについてお話しします。
趣味の道具が家族の生活スペースを圧迫している現実
バイク乗りは、用途や季節に合わせて装備を揃えたくなるものです。
メッシュジャケットにウィンタージャケット、雨用の防寒着、さらには複数のヘルメットやツーリングバッグなど。
気がつけば、家の中の収納スペースの少なからぬ部分を、自分の趣味の道具が占領してしまっています。
我が家も例外ではありません。
子どもが小学生になり、自分の部屋に置きたい物や学校の道具が格段に増えました。
妻も限られた収納スペースをなんとか工夫してやり繰りしてくれていましたが、ある日、私のライディングウェアが掛かっているクローゼットの隅で、子どもの冬物のコートが窮屈そうに押し込まれているのを見つけました。
「家族の生活を大切にしたい」と口では言いながら、物理的なスペースの面では、私の趣味の道具が家族の暮らしやすさを静かに圧迫していたのです。
過去の思い出よりも今の家族の「暮らしやすさ」を優先する
私は休日の午後を使って、自分のバイクギアをすべて床に並べてみました。
これはいつかロングツーリングに行く時に着るかもしれない。
これは若い頃に初めて買った思い出のジャケットだから。
そうやって理由をつけて手元に残していたものが、なんと多いことか。
しかし、今の私のライフスタイルを冷静に振り返れば、休日の早朝や隙間時間に1〜2時間走るのがメインです。
何日もかけて遠出することは、今の生活環境ではほとんどありません。
ならば、本当に必要なのは「今の短い時間を安全に、快適に走れる一着」だけのはずです。
そのため、思い切ってフリマアプリなどでほとんどのギアを手放すことにしました。
身軽になることで見えてきたシンプルで心地よいバイクライフ
趣味の道具を減らすことは、最初は少し寂しい気もしましたが、実際にやってみると得られたメリットのほうが遥かに大きかったです。
まず、出発前の準備が圧倒的に楽になりました。
「今日は何を着ていこうか」と迷う時間がなくなり、お気に入りの厳選された一着をサッと羽織るだけで走り出せるようになったからです。
そして何より、家族がスッキリとしたリビングで快適に過ごしている姿を見るのが、一番の喜びです。
自分の趣味の道具を厳選し、家族の生活スペースを広く取ること。
これもまた、暮らしを優先する大人ならではの、バイクとの心地よい付き合い方なのかもしれません。
