夕暮れ時の40分。夕食までの時間でリセットする頭と心
不規則なシフト勤務をしていると、休日の夕方にふと、ぽっかりと時間が空くことがあります。
夕食の準備までのわずか40分。
ソファで体を休めることもできますが、私はあえて重いガレージの扉を開け、バイクを引き出すことがあります。
今回は、一日の終わりに頭と心をリセットし、穏やかな気持ちで家族の待つ食卓に向かうための、夕暮れ時の短い時間の過ごし方についてお話しします。
忙しない日常の合間に見つけたすき間時間
日々の生活は、常に何かに追われています。
医療現場での夜勤明けや、不規則にいただいたお休みの日などは、時間の感覚が少し曖昧になるものです。
夕方、妻が夕食の支度を始め、子どもが宿題に向かっている時間帯。
手伝うべき家事もひと段落し、「夕食まであと1時間くらいかな」という隙間が生まれることがあります。
以前の私なら、そのままソファでうたた寝をして過ごしていました。
しかし、それでは体の疲れは取れても、仕事の張り詰めた緊張感やモヤモヤとした感情が、心の奥底にへばりついたままになっていることに気づきました。
そこで見つけたのが、夕暮れの街へ愛車を連れ出すという選択です。
片道わずか15分、往復で30〜40分程度の短い道のりです。
大きなバイクを引き出して装備を整える手間はありますが、走り出した瞬間に得られるリターンは、その手間を補って余りあるものが詰まっています。
夕焼け空と愛車のシルエットに見惚れる
夕暮れ時は、空気が昼間とはまったく違う匂いに変わります。
西日が優しく差し込む中、住宅街を抜けて少し見晴らしの良い土手や公園の脇まで走らせる。
千葉のベッドタウンは、少し走ればまだ長閑な風景や広く空を見渡せる場所が残っています。
お気に入りの場所に着いたらエンジンを切り、ただ静かに愛車を眺めます。
空がオレンジから深い青へとグラデーションを描き、街の灯りがぽつりぽつりと点灯し始める時間。
その光の中に浮かび上がる大型バイクの造形美や、少し冷えてきた金属の質感に見惚れる瞬間は、格別なものです。
ただひたすらに距離を走るだけがバイクの楽しみ方ではありません。
少し離れた場所から自分の相棒を眺め、その佇まいを楽しむ。
そんな静かに流れる時間も、大人のライダーならではの贅沢な味わい方ではないでしょうか。
家族と向き合う穏やかな自分へと切り替える
なぜ、この短い夕暮れ時のライドが大切なのか。
それは、仕事モードの自分から、家庭での自分へと切り替えるための「心のスイッチ」になるからです。
バイクのシートに跨り、風の冷たさやエンジンの熱を直接肌で感じることで、頭の中に渦巻いていた雑念が少しずつ後ろへと流されていきます。
ヘルメットの中で一人になり、自分自身と静かに対話する。
そうして心の中を一度空っぽにすることで、帰宅する頃にはすっかり穏やかな自分を取り戻せるのです。
ガレージにバイクを戻し、少しだけ排気ガスの匂いをさせたジャケットを脱いでリビングへ入る。
そこには、温かい夕食と家族の日常が待っています。
たった40分の寄り道が、その後の家族との時間を何倍も豊かにしてくれます。
もし夕方に少しの余白ができたなら、夕暮れの風に会いに行ってみてはいかがでしょうか。


